長年工場で働いていると必ず見たり聞いたりするのが、働かないおじさん問題です。
JTCと同じくらいネットスラングとして定着しているのではないでしょうか。
年功序列の崩壊、上がらない給料といった日本の景気後退も相まって、働かないおじさんへの風当たりは増すばかりです。
私自身も大手JTC時代に働かないおじさんに悩まされたものです。
たらい回しにされて職場を転々としているにも関わらず、やたら自信過剰でプライドが高い。
偉そうなことは言うけどロジックは何もない。
そんなおじさんは工場に必ずいますよね?
今回の記事では「働かないおじさんを撲滅する!」といったスタンスではなく、あえて働かないおじさんは悪なのか?という視点でお話できればと思います。
散々働かないおじさんに悩まされておきながら、JTC→ベンチャー→外資系とカルチャーの異なる製造業を渡り歩いて感じた「働かないおじさん」について語ります。
働かないおじさんってどんな感じ?
説明不要だと思いますが、まずは働かないおじさんの特徴を抑えておきましょう。
もし、本記事をご覧になっている方で「うっ…」となってしまった方でも大丈夫です。
最後までご覧いただければ夜もぐっすりと眠れることでしょう。
まずは働かないおじさんの特徴です。
・自分さえよければいいと思っている
・楽な仕事を選ぶ
・出世している同期を盾にする
・忙しそうにしている
・簡単な話を難しくする
・若手を認めない
・過去の成功体験ばかり語る
・自分のやり方を押し付けてくる
・苦手なことは周りに投げる
・仕事をやっているフリをする
ざっと挙げてみましたがどうでしょうか?当てはまりますか?
ちなみにJTC時代のおっちゃんを久しぶりに思い出しながら羅列してみました。
こんな状態でいて、若手の2倍くらい給料をもらっている訳ですからね。
そりゃネットで働かないおじさん叩きが白熱する訳ですよ。
当時は働かないおじさんとよくケンカしたものです
働かないおじさんはみんな紙一重
では、工場で働くおじさん全員が働かないのか?と言われるとそんなことはありません。
せいぜい職場に1人、2人いればいいのではないですよね?
多くのおじさんは文句は言うかもしれませんが真面目に働いています。
「あの人はオレより仕事できないのに給料もらいすぎ!」という話を色々なところで聞きますが、それは自分との比較での話。
工場の場合、言われたことをキチンと遂行できれば100点です。
仕事が遅い、主体的じゃないなんて、工場勤務者に求めるのは結構無理な話だと思います。
学校の延長線上で地元の工場になんとなく就職した精鋭たちですよ?
バカにしてすみません
肌感覚として、エリート級の働かないおじさんは1割、黙々と作業するのんびりおじさんが6割、バイタリティー高めおじさんが3割といった感じでしょうか。
エリート級の働かないおじさんは意外にも2割はいないんじゃないかな?って感じです。
おそらく働かないおじさんでも20~30代はそれなりに働いています。
というか働かされていたはずです。
そもそも働かないエース社員なんて存在できないでしょう。
口うるさい年上の上司もいなくなり、ホッとした反動で働かないおじさんが発動するというのが一般的かなと思います。
みなさん紙一重なんですよ。
働かないおじさんは必要悪として考える
正直、働かないおじさんを駆逐したところで予備軍が押し寄せてきます。
というより、働かないおじさんを勝手に仕立て上げるようになります。
工場勤務者の場合、誰かしらサンドバッグにしたいと思う人が非常に多い。
おそらく、自分を守るために働かないおじさんなどを盾にして「自分はやってる」アピールをしたいのです。
普段働かないおじさんを散々叩いておきながら、久しぶりに会ったらその人が働かないおじさんに進化していたことがありました。
誰しも自分が一番可愛いし、少しでも楽をしたいのですよ。
JTCだろうが、ベンチャーだろうが、外資系だろうが働かないおじさんはいます。
外資系で働かないおじさんはエキスパート級です
働かないおじさんがいたとしても、排除するのではなく共存の道を選びましょう。
所詮、私含め大概の人は工場の雇われ側ですよね?
自分より給料を多くもらっていようが、残念ながら工場で給料が逆転することはないでしょう。
文句を言うくらいなら、転職してその人より稼ぐ道を選んだ方が人生は豊かになるのではないかと。
もし、あいつはいらない、こいつもいらないなんて言ってる節があるのであれば、それこそあなたも働かないおじさんや老害と言われる側になる可能性だってあります。
では、働かないおじさんとどのように共存していくのか、私なりの見解を紹介します。
働かないおじさんとの共存戦略
働かないおじさんは無駄に知識が豊富だったりします。
若い頃から特定のことしかできないため、やたらマニアックなことを知っていたりします。
学卒や院卒の若手と、あれが違うこれが違うと揉めているシーンをよく見かけたものです。
それだけ無駄に現場で得た知見が豊富なんですよね。
無駄無駄言いすぎてすみません
とにかくそれっぽい仕事を割り振って挙げれば正直満足してくれます。
「若手の育成」「改善活動」工場だと年長者を敬えというカルチャーがありますので、それっぽい役割を与えて知識や経験を絞り出しましょう。
私はそれでブラックボックスだった働かないおじさん(嘱託)の仕事を見える化して、多能工化に成功しました。
当然、働かないおじさんの特別感はなくなってしまいましたが、気づいた頃には時すでに遅しって感じで諦めて働いてくれました。
働かないおじさんを叩いて苦しくなるのは意外と自分達だったりしますので、うまく手のひらでころがしながら共存していきましょう!
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