早いもので、ベンチャー企業から外資系企業へ転職してもうすぐ1年が経ちます。
充実した毎日だったからこそ、1年があっという間に感じられたのだと思います。
そこで今回は、スウェーデンに本社を持つ外資系企業に転職した感想をご紹介します。
結論、働く上で以下を重視している方には欧州の外資企業はおすすめです。
・プライベートの時間を大切にしたい
・有給が取りやすい会社で働きたい
・ハードワークは避けたい
・実力をしっかりと評価して欲しい
ちなみに筆者の経歴は以下の通りです。
・板金塗装業者(1年)
・自動車整備士(4年)
・日系製造業(10年)
・EVメーカー(1年)
中小企業、大企業、スタートアップ企業と、カルチャーの違う会社を渡り歩いてきた筆者ですので、これまでの経験談をもとに解説いたします。
欧州系企業は典型的な「ホワイト企業」
筆者が欧州の外資系企業に転職してびっくりしたのが、入社説明会でよく聞くいわゆる「綺麗事」のような企業理念が、現場の末端まで染みついているということです。
特にコンプライアンスには非常に厳しく、「もし、手を出したら一発退場です」といわれるくらいパワハラやセクハラに目を光らせています。
日系企業のときはサラッともみ消してましたね。
そして、仕事よりも余暇時間を大切にしているので、自分の人生や家族との時間をもっとも大事にしようという文化です。
半休制度やフレックス制度があるものの、家族の体調不良などで遅刻する場合は、上長判断で柔軟に調整してくれます。
もちろん、外資系企業といえども日本の拠点で働く従業員は大半が日本人ですので、体育会系育ちのおじさんの中には口調が粗い人や横柄な人はいます。
しかし、会社の理念が浸透しているため、職場の雰囲気が悪くなると上長や人事、労働組合が動くいてヒアリングを行います。
職場の雰囲気を悪くする方は、コンプライアンス教育を経て、状況が改善されないようであれば即刻退場(クビ)を宣告されるのです。
筆者の勤め先は半年に一度の1on1ミーティングに加えて、年2回ほど個人面談を上長と行います。
その際に、近況報告で職場の状況を隅々まで吸い上げる仕組みになっています。
言い方は悪いかもしれませんが、密告されないよう従業員は下手なことができない環境なのです。
欧州企業の働き方は合理的
欧州の外資企業で働いて感じるのは、徹底して合理的な働き方を追求していることです。
余暇時間を充実させるために、就業時間内は合理的に働き、さっさと帰るというスタイルなのです。
日系企業のように「稼ぎたいから残業しよう」といったサービス残業は一切できません。
ベンチャー企業のように「死に物狂いで朝まで働く」「土日も働く」ということもありません。
むしろ「18時には工場の電気を消灯します」「朝も早く来すぎないように」といわれるレベルです。
その分、就業時間内はカツカツにタイムマネジメントをして、無駄なく動けるよう朝礼で意思統一を行います。
ダラダラ働きたい人にとっては苦痛かもしれませんが、せかせか働いてさっさと帰りたい人には最高の環境といえるでしょう。
筆者はさっさと仕事を片付けて家族や副業時間に充ててます。
合理的に無駄なく働けるよう、日々業務改善に取り組むことで、査定での高評価にもつながります。
もちろん、日系企業の「どうせ年功序列だし」というカルチャーもありません。
「早く帰りたいから合理的に働く=評価も上がる」という環境は、筆者のようにプライベート時間を確保したい方にはおすすめです。
仕事の進め方も柔軟
働きやすい環境でありながら、外資系企業特有の成果主義のカルチャーも根付いています。
日系企業のように「前例がないから」「うちの部署と関係ないから」といった考え方もありません。
全従業員が中途採用ですので、これまで働いてきた会社の良い部分を職場に落とし込んだり、良い取り組みがすぐに取り入れるという柔軟性があります。
筆者の職場でも、「カッコイイ作業着で働きたくない?」という声から試験的に作業着を一新してみたり、「音楽流したいよね」という声が上長から上がったりします。
とにかく最優先事項が「働きやすさ」「合理的」を追求しているので、お役所仕事とは対極的な場所に欧州企業のカルチャーはあります。
一点注意したいのが、柔軟性がありすぎて工場長や管理職がクビになったりと、成果が出なければ人の入れ替わりも多いということです。
本社主体で管理職が外国人になれば、仕事の方針が一気に変わることもあります。
しかし、経営理念などの軸がしっかりとしているので、末端で働く従業員に大きく影響を与えるほどではないように感じます。
日系企業では天下りで社長がコロコロ変わってましたが・・・何も変わらず。
どんな人に欧州の外資系企業は向いている?
日系企業とベンチャー企業の間を取ったようなカルチャーが、欧州の外資系企業の特徴だと感じます。
現場発信で「これやりたい」「こんな資格取りたい」という意見に一つ返事でOKしてくれます。
主体性を大切にし、ワークライフバランス重視で穏やかな環境で働きたい方にとっては、とても働きやすい就労環境といえるでしょう。
生活残業といったカルチャーは一切なく、朝礼で各人のスケジュールを確認し、人手が必要なところにフォローを入れます。
残業の偏りもないよう管理していますので、稼ぎたいから残業するということができない環境になっています。
注意したい点としては、即戦力で働ける人材を中途で採用するため、教育体制は日系企業よりも劣ります。
そのため、受け身でいるといつまでも仕事を覚えられず昇給も望めませんので、ベンチャー企業のように自主的に行動できる方が向いています。
もしくは給料据え置きでものらりくらり過ごしたい人。
筆者の場合は中小、日系企業でサラリーマンとしてのイロハを学び、ベンチャー企業で自分の実力を試したのちに欧州の外資系企業に転職しました。
色々経験した35歳からの欧州の外資系企業への転職でしたので、20代前半での働き盛りで入社していたら、少々物足りない環境だったかもしれません。
もちろん英語を学びたい方にもおすすめ!
外資系企業といえども社内政治は避けられない
外資系といえば「成果がすべて」「やることやっていればOK」みたいなイメージがあるかと思います。
実際その通りなのですが、結局一緒に働く人たちは生身の人間ですし、日本の拠点であれば大半が日本人になります。
そのため、いくら外資のカルチャーといえども、良好な人間関係や立ち回りがうまい人が高い評価を得ることになります。
一度悪い評判や、コンプライアンスに抵触するするようなことが発覚すれば、すぐさま人事が動いて事実確認を行います。
社内の意識調査アンケートも定期的に行われているため、職場の実態が把握しやすい環境になっているのです。
日頃から人間関係が良好で、波風立てずに過ごしていれば、最高に過ごしやすい環境といえるでしょう。
毎年行われる査定の面談については、うまく成果をアピールできる人が有利になります。
評価者は日頃から業務態度や成果を見ている訳ではないので、説得力のあるプレゼン能力も評価に影響を与えます。
まじめに働いていれば評価してくれる世界ではないですね。
まとめ
欧州の外資系企業は、アメリカ企業よりもゆったりのんびりしたイメージがあります。
そのため、「激務に疲れた」「プライベートを充実させたい」という方におすすめです。
熟練のベテラン層を中途で採用するため、がむしゃらに20~30代前半を駆け抜けてきた人の安住の地としておすすめできます。
これまでの経験をもとに、欧州の外資系企業へチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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