一昔前であれば、大企業に就職することができれば「人生安泰」なんて言われていました。
しかし、昨今の世間情勢をみていると、大企業でもリストラを行っているので気が気じゃない状況です。
特にここ最近では、「副業解禁」「個の時代」なんていわれて、大企業に勤めている人でも転職する人が増えました。
そこで今回の記事では、「大企業のメリット・デメリット」を中心に、経験談を交えながら紹介します。
筆者はつい最近、従業員1,000人以上の一部上場企業からスタートアップ企業に転職をしました。
過去には
・板金屋
・自動車整備士
・エアコン取付け業者
・ガソリンスタンド
など、さまざまな規模の会社を渡り歩いてきました。
学卒でもなければ高学歴でもない筆者の経験談が、だれかの役に立てば幸いです。
大企業のメリットってどんな感じ?
前職では、非鉄金属を製造する企業に10年間勤めていました。
10年の間に、労働組合の執行委員も経験しましたので、会社全体を見渡せる貴重な経験もしました。
まずは、大企業に勤めることで得られるメリットについてご紹介します。
定期昇給
トヨタですら「定期昇給は厳しい」なんて話題になっていましたが、実際のところは、一部を除いて大企業の定期昇給はまだまだ健在です。
よほど収益が落ちていない限り、定期昇給は大企業の要ともいえる制度ではないでしょうか。
言い換えれば、何もしなくても毎年給料が上がり続ける奇跡のような制度です。
さらに、定期昇給に加えて年2回のボーナスまで大企業なら当たり前のように支給されます。
筆者の勤めていた会社では、赤字であろうが必ずボーナスは支給されていましたので、入社当初は衝撃を受けました。
何もしなくても給料もらえるなら「働かないおじさん」もそりゃ増えますよね。
福利厚生
大企業は安定収入に加えて、充実した福利厚生も魅力です。
例として、
・借り上げ社宅
・独身寮
・保養所
・施設利用の割引
・企業型確定拠出年金
といった福利厚生が筆者の前職ではありました。
年々、縮小傾向にありましたが・・・
福利厚生が充実していればいるほど、経済的負担が少なくなるのです。
筆者は10年間、約7万円の家賃補助がありましたので非常に助かりました。
教育体制
充実した研修制度により、資格取得の推進や仕事に役立つスキルなど、研修を通じて学ぶことができます。
長期的に社員の成長を促しますので、受け身でいても、「そこそこレベル」まで会社が後押ししてくれるのです。
大企業ならではの教育実績と資本力で、社員教育に関しては天下一品なのです。
筆者は工場勤めでしたので、フォークリフトやクレーンの免許など、さまざまな資格を会社負担で取らせてもらえました。
特に受け身の人には最高の環境だと思います。
どっぷり浸かると危険!?大企業のデメリットを紹介します
世の中には「大企業病」なんて言葉もありますように、あまり甘い汁を吸い続けるといつかしっぺ返しがきます。(来る可能性が高いです)
「どうせ年功序列だから」
「やってもやらなくても同じ評価」
「社内政治が面倒くさい」
といった悩みが尽きないのも大企業ならではです。
筆者が感じた大企業のデメリットを以下に紹介しますので、参考にしてください。
正直、大企業のデメリットは考え次第でメリットにもなり得ますが・・・
器用貧乏になりがち
充実した教育制度により、どんな人でも平均レベルまでには育ちます。
大企業は人数が多いため、社内ローテーションや異動が頻繁に行われることから、ゼネラリストになりがちです。
専門性よりも幅広く業務をこなせる人を重宝しますので、言い換えれば器用貧乏で終わります。
社内の人事発令を見ていても、「この人どこを目指しているんだろ?」という異動が多く、個人に対してのキャリアプランを無視しているように感じます。
実際、筆者も社内政治の影響を受け、適正を無視した異動を経験しました。(辞めたきっかけでもあります)
「何でもできる=器用貧乏」は、転職でアピールしづらいのがネックになります。
ハングリー精神が育ちづらい
年功序列の大企業であれば、個人の成果が評価に結びつくことがあまりありません。
年齢に応じて給料が上がるシステムですので、この能力を発揮したい人には物足りなさを感じます。
極端な話、「何もしなくても給料がもらえる」状況ですので、ハングリー精神は生まれづらい環境です。
能力がある人は、転職するか副業に精を出しています。
受け身でいるとスキルが身につかない
「研修制度が充実している」「自ら動かなくても仕事が舞い込んでくる」といった充実した環境ですので、受け身でい続けるとスキルはたいして身に付きません。
筆者が勤めていた会社でも、ただ年を重ねただけのおじさんが大量にふんぞり返っていました。
そんな状況をまずいと感じるか、楽と感じるかで、その後の自身の市場価値に大きく影響します。
まとめ
大企業を経験した者としては、
「休みやすい」
「安定して給料がもらえる」
「福利厚生が充実している」
といった点に関しては、プライベートを重視したい筆者にとっては働きやすい環境でした。
しかし、「このままではまずい」と感じる部分が大きかったので、スタートアップ企業に転職することを決意しました。
ベンチャー企業ならではのまっさらな環境は、大企業とは違ってとても刺激的です。
大企業に向いている人、向いていない人は必ずありますので、転職で悩んでいる方は、是非とも参考にしてください。